面接官は、求職者を緊張させる質問を好むことがあります。確かに、面接官はあなたに活躍の場を提供したいと思っていますが、あなたの弱点も探らなければ、将来それが問題になる可能性を残してしまうからです。
面接官が「なぜ前職を辞めたのですか?」と質問する時の本来の意図とは?
面接とは、可能性を探るのと同じくらい、リスクを軽減するための活動とも言えます。あなたは業界で才能あふれるプログラマーかもしれませんが、もしあなたが過去に仕事を辞め、それより良い仕事に就けなかったとしたら、面接官はその理由を知りたがるでしょう。
面接官は、この質問に対して納得できる説明を聞きたいと考えています。
それでは、「なぜ前職を辞めたのですか?」という質問には、どう答えればよいのでしょうか?
理想的な回答を組み立てる5つのステップ
どのような退職理由を答えるにしても、満足のいく回答をするために必要なステップがあります。回答を準備する際には、以下の5つの点を考慮に入れてみてください。
1. 退職理由が適切かつ明確であること
責任感のある従業員であれば、従事している企業に忠誠を持っていて、正当な理由がある場合にのみ退職するものです。「なぜ前職を辞めたのですか?」という質問に答える時、退職理由を長々と伝えることは避けましょう。理由をひとつかふたつを選び、簡潔に説明してください。
2. あなたが仕事に対して真剣であることを疑われないようにする
自分のキャリアの方向性が具体的で定まっていないため、求職歴が豊富な人なら、仕事を辞めることは大した問題ではありません。何しろ過去に何度もそうしてきたのですから。もしあなたが戦略的で真剣にキャリアを築きたいのであれば、仕事を辞める理由はすべて、長期的な野望の中で意味をなすものでなければなりません。優先順位は人それぞれですが、あなたはどうでしょうか?
3. 前向きに話を組み立て、できるだけ正直に話す
より責任のある仕事を探しているのか、キャリアを変えたいのか、上司との関係をより良いものにしていきたいのか、自分の価値観に合う仕事を探しているのか、など、転職を考える時の前向きな理由はたくさんあります。このような理由に話の流れが向くように誘導するようにしますが、正直であることを曲げないでください。ネガティブな状況というのはよくあることで、それを認めることも許されるものです。
4. 次の仕事はどう違う必要があるのかを明確にする
退職理由を答える際にはその理由を明確にし、次の仕事ではそれが起こらないことを示す必要があります。同じような受け入れがたい環境に身を置くのはいささかサディスティックなので、なぜ同じようなことが二度と起きないと思うのか、あなたの考えを伝えましょう。未来の転職先企業の担当者の不安を取り除くよう努めましょう。
要求されない限り、あまり詳しく説明しない
上記のようにあなたに対する安心感を与える必要はありますが、説明は30秒で十分です。面接官が前向きになれるよう、質問には網羅してに答えるのが理想的です。面接官はあなたの退職理由をさらに詳しく聞きたいと思うかもしれませんが、その場合はできるだけ包括的に答えるべきですが、うまく答えて次に進むのが理想です。
退職理由トップ9 + 回答例と実践的アドバイス
退職する理由はたくさんあるかもしれませんが、どの理由を話すのが最も適切でしょうか?また正当な理由は何でしょうか?ここでは、一般的な退職理由を複数挙げて、面接での回答例をご紹介します。
プロフェッショナルとして成長できないと感じた
どんなに多くのオンライントレーニングコースを受講しても、あなたを採用した企業が新しいスキルを実践する機会を与えてくれなければ、習得には至りません。悲しいことに、一部の企業の中には、単に仕事をこなせればそれ以上でもそれ以下でもないという所もありますが、私たちの多くはそれ以上のことを望んでいます。
他業種へ転職した
「物流部門で多くのチャンスを得られたので、製造業からオンライン小売業に転職しました。私は自動フルフィルメント技術に特化したかったので、ネット通販の環境は自分の経験を広げるチャンスがありました。」
会社のミッションとあなたの価値観が合わなくなったと感じた
「私は環境保護運動に熱心に取り組んでいます。そのため、当時のコンサルタント会社が地球上で最大の汚染企業の1つと主要プロジェクトを引き受けることを決めたとき、良心の呵責からその職務にとどまることはできないと感じました。」
より良い福利厚生と給与を求めた
「自分の職務の給与について市場調査をした結果、自分の会社が平均より30%以上低いことに気づきました。交渉しましたが決裂して、自分の努力が適切に報われる職場への転職を決意し、給与が35%増加しました。」
仕事の内容が激変した
「経営陣が刷新されて別の戦略を決定した後、私の仕事の範囲が完全に変わってしまいました。私の将来のキャリア目標とは相いれない方向へ仕事を進めることになったので、6カ月間試行錯誤した結果、より適切な職務で再出発することがベストな選択だと判断しました。」
キャリアパスを変えたかった
「前職では、出版業界でのキャリアを辞めて、SNS業界に転職する必要があると考えました。私は文字を書くことに魅力を感じているので、情熱を注いで多くのオーディエンスに大規模にリーチできるチャンスも魅力的でした。5年後には、私はファッション業界で最も象徴的なSNSキャンペーンをいくつか手がけ、貴社と共にに成功し続けたいと考えています。」
家庭や個人的な理由
「高齢の両親が重篤な病気から回復したのですが、半年間介護する必要がありました。現在は住み込みの介護士がいるため、また仕事に復帰したいと思いました。また自分のキャリアに全身全霊を尽くせると思うと嬉しくなり、このポジションで大いに貢献したいと考えています。」
昇進のチャンスがない
「前職を辞めた理由は、上向きにも横向きにも成長するチャンスがなかったからです。私は常に部署でもトップの成績で、トップクラスの評価を得ていました。私は管理職として、一層責任を果たせるような新しい仕事を探しています。」
会社が倒産した
「ジャパンロイヤル社はフィンランドの会社に吸収合併され、残念ながら私の職務はその会社の本社に委託されました。解雇通知後の6カ月間は再就職活動手当が手厚く支給され、私は3週間以内に素晴らしい次の仕事を見つけることができました。大きな不安に飲み込まれそうになりましたが、レジリエンスについて多くのことを学びました。」
退職理由を伝えるときに言ってはいけないこと
感情的になりがちな退職理由については、言いたいことがたくさんあるでしょうが(それでもあなたがつらいことは理解できます)、言わない方がいいこともたくさんあります。気をつけるべきことは以下の通りです。
- 前職について否定的なことは言わないでください。
- 決して真実を曲げないでください。先方は察知できます。
- 必ず退職理由を述べてください。ただし2つまでです。
- あなたの将来のパフォーマンスに疑念を抱かせるような発言は避けてください。