退職願の書式と構成
退職願の基本的な構成要素は次の通りです。
- あなたの名前と連絡先を記載したヘッダー
- 送付先の担当者名、会社名、所在地
- 日付
- 挨拶文
- 第一段落: 退職する意思の通知
- 第二段落: 在職中のお礼の言葉
- 第三段落: 引継ぎに協力する意思表示
- オプション: 退職の理由
- 結びの挨拶
退職願の書き方 - 退職願の書式と構成
退職願は適切なビジネスレターのフォーマットに従って書きましょう。この記事では外資系の会社の場合を例にとっています。ヘッダーには自分の連絡先を書き、先方の担当者名、会社名、所在地、日付をを記載します。
ヘッダー
退職願の上部にあるヘッダー(便箋と同じもの)には、あなたの氏名、住所、電話番号、Eメールを記載します。
送付先
退職願のヘッダーの下の左ブロックに、送付先の役職と担当者名に加えて、所在地と会社名を記載します。これは、ある程度決まったフォーマットとも言えます。 必要ならば、担当者のEメールと電話番号を入れてもいいでしょう。
日付
送付先の担当者名と所在地の下にスペースを追加して、今日の日付、つまり退職願の到着予定日または送付日の年月日を書きます。
挨拶文
正式な退職願では、相手の姓名の後に「様」または「殿」を書くのが一般的です。基本的に外資系では殿は使われないことがほとんどですが、ここはあなたの務めている会社の企業文化に合わせて対応してください。
2週間前というのは10日ですか、14日ですか?通常2週間前の退職の意向通知は、民法上は退職の日と週末を含めて14日となります。就業規則などで1か月前と記載されていることもありますが、民法の方が優先されます。しかし、社会人として無用なトラブルを避けるのは当然のことですので、退職願を作成する前に、雇用契約書を確認することを強くお勧めします。契約書をよく読み、退職にあたっての注意事項、規定など関連する項目を読み込んで、従業員としてどのように退職を進めていけばいいのか確認しましょう。
退職願の第一段落の例文
失礼のないようにして、退職願の第一段落目は「一身上の都合により、X日付けでY社のZのポジションを退職したく、ここにお願い申し上げます。」と率直に書いてもかまいません。
山本部長
この素晴らしい会社で8年間充実した日々を過ごしましたが、2週間後にセントラル電機株式会社での電気技師としての仕事を退職したく、ここにお願い申し上げます。最終勤務希望日は、2023年3月31日(金)とさせていただきたく存じます。
退職願の第二段落の例文
退職願の第二段落では、この会社で働くことができたことへの感謝の気持ちを表すのが一般的です。この会社で学んだこと、この会社で働けてよかったこと、この仕事で喜びを感じて働いたことなどに言及するとよいでしょう。
様々な面で、この会社で働けたことは私の人生の中でも最高の時間でした。この分野でほとんど経験のなかった私を採用していただいたことに、大変感謝をしております。素晴らしい同僚の方々と協力し合いながら仕事ができた喜びは、一生忘れることはないでしょう。
第三段落
特に、会社で本当に素晴らしい経験をさせてもらったことを強調したい場合は、三段落以上書いても良いでしょう。
しかし、退職願は1ページを超えないようにする必要があります。そして最後の段落では、引継ぎに関して申し送り事項や後任への説明など、あなたが退職することの影響を和らげるために協力する意思があることを記載します。
後任への説明や申し送り事項など、引継ぎのためにできることがあれば、喜んで協力させていただきます。また、この会社で8年間お世話になり、本当にありがとうございました。
結びの挨拶
「敬具」などのシンプルな言葉で締めくくり、一番下に自分の名前を加えます。外資系企業の場合はその下に自筆サインをしますが、捺印は必要ない場合がほとんどです。ただし、あなたがお勤めの会社のルールを一度確認してみてください。
最適な退職願
退職願の書き方を色々と調べる前に、「最適な退職願 」というものは存在しないことは理解しておく必要があります。内容や書き方は、あなたの置かれた状況、上司との関係、企業文化など様々な要因によって異なります。
自分に当てはまる状況や勤めている企業文化や社内規定をよく考え、それに合わせて退職願を作成しましょう。
シンプルな二週間前通知による退職願
退職願は民法上二週間前までに出す必要がありますが、どのような形であれ、シンプルで要点を押さえたものにするのが基本です。退職の理由について詳しく説明する必要はないですが、会社での長いキャリアを振り返りながら、これまで自分に与えてくれた様々な機会に対して感謝の気持ちを伝えることは重要です。
プロ意識のある退職願
現在の会社では上司と仲が良い一方で、素晴らしい条件で次の会社に移ることになるかもしれません。しかし、退職願は会社の公式書類扱いとなるので、決してカジュアルになってはいけません。
退職願は、プロらしくわかりやすい文体で書くべきです。もし、同僚との楽しかった思い出について感謝を述べたいのであれば、その思いは別の退職挨拶メールに取っておいて下さい。
プロ意識のある退職願
退職願を出す前に考えるべきこと
これは当たり前過ぎることかもしれませんが、退職願を出す前にこの仕事を辞めたい、そしてその時期が来ている、ということをあなた自身が絶対的に確信する必要があります。
何ヶ月も(あるいは何年も)無収入で暮らせるほど裕福でない限り、次の仕事が確実に決まる前に仕事を辞めることはできないことはよく分かっているはずです。次の宛があるかもしれませんが、確実な内定通知がない場合、コネもなく、余りよく考えずに次に飛び出すのは、大きなリスクです。
次の仕事が決まっているのなら、いつから始められるのか、開始時期などに関しての交渉の余地はないのか、よく考えて下さい。また、転職先ですぐに休暇が取れるとは限りませんので、ある程度の期間休みを取りたい場合もあるでしょうから、その辺りもじっくり考えて下さい。