作業療法士の履歴書の書き方
従来病院で行われていた回復訓練の多くが、外来センターや個人診療所に拡大していくにつれ、作業療法士が活躍する職場はさらに増えてきています。作業療法士の履歴書は、作業療法に精通していることと、人を助けたいという情熱が伝われば、採用担当者の目に留まるはずです。ここでは、作業療法士の転職市場について説明します。
履歴書のサマリー例: 自分の強みをアピールする
プロフィールやサマリーは、「作業療法士としてあなたはどんな人ですか?」「あなたは何を達成しましたか?」という質問に答えるものです。
あなたは職務経歴以上の存在です。だからこそ、サマリーセクションはとても重要なのです。採用担当者に、あなたの患者対応における哲学を少し伝え、あなたの最大の業績を強調します。あなたの活躍する分野では、最も弱い立場の人々を相手にするため、何を知っているかということと同じくらい、あなたがどういう人間であるかが重要なのです。
ここは、「あなたがチームにどのようにフィットし、何をもたらすか」というセクションだと考えてください。あなたの長年の経験は非常に貴重なものですが、あなたが一人で仕事をするわけではないので、転職先の人々はあなたがどのようにチームに溶け込めるかを知りたがるものです。履歴書の中で唯一、あなたの個性が光るセクションです。
このセクションはあなたのキャリアを要約するものなので、他のセクションの作成が終わってから書くとよいでしょう。職歴セクションで前職の記憶を呼び覚まし、自分の職務上のスキルや特質をまとめた「マスターリスト」を作成した後であれば、転職候補者としての資質を高めるような実績を引き出しやすくなるかもしれません。
同居していた祖母が病に倒れた際、病院でのリハビリを経て以前と同様に健康 的な生活を取り戻した経験を目の当たりにしたことが、作業療法士を目指すき っかけとなりました。祖母がリハビリテーションを受ける中で、祖母の回復を 支える作業療法士の仕事に感銘を受けました。その出来事が、私が作業療法士 としての道を選ぶ原動力となりました。
私は前職のリハビリテーション専門病院での幅広い仕事を通じて、患者様の回 復をサポートすることの喜びを深く感じています。具体的なリハビリテーショ ン技術を習得すると同時に、心身にダメージを負った方々に寄り添い、彼らが 健やかな生活を取り戻すためのサポートを行ってきました。これまでの経験を 基に、患者様との密なコミュニケーションを大切にし、一人ひとりに合わせた ケアを提供していきたいと考えています。
家庭の事情で北海道に戻ることになりましたが、地域に密着した医療サービス を提供する貴院で作業療法士として働くことが夢です。これまでの経験を活か し、地元の地域の方々に必要とされる存在になることを目指しています。
現代はますます複雑化した高齢化社会が進展しており、そのような社会におい ては一層、作業療法士の重要性が増していると感じています。私はこれまでの 知識や技術をさらに発展させ、地域の方々の心身の健康を支える存在として活 躍したいと考えています。高齢化社会において一人でも多くの方々の健康的な 生活を守るために、温かなホスピタリティと専門知識を持って、貴院で貢献し ていきたいと思っています。
職歴セクションの例: 履歴書成功のための構成要素
職歴セクションは履歴書の大部分を占めるため、あなたをプロフェッショナルに見せるために時間をかけるべきでしょう。世界標準形式の履歴書フォーマットの場合、やむを得ない理由(最近転職した、職歴に空白があるなど)がない限り、直近の勤務先を最初に記載し、そこから逆順に記載する逆時系列の形式にします。日本式の履歴書では、時系列で順番に記載します。
これまでの慣例に従って、このセクションを単なる職務経験の羅列だと思ってはいけません。職務経歴セクションは、あなたがどのようにして現在のキャリアに至ったかを段階的に示すものであるべきです。各職務では最も印象的な業績を列挙していきます。データや詳細な記載を駆使して達成したことを強調し、そのために必要だったスキルをアピールしましょう。スペースを節約する必要がある場合は(世界標準形式の履歴書は2ページ、日本式の履歴書は見開き1ページ以内に収めます)求人情報に合致しない職務経験は削除しましょう。
2014年4月 作業療法士 医療法人 優健会 熱田リハビリテーション病院
2022年9月 作業療法士 医療法人 優健会 熱田リハビリテーション病院
- 食事動作訓練 (嚥下訓練)
- 認知症予防/症状遅延を目的とする認知機能訓練
- 高次脳機能訓練 (手芸・パズルなどを用いた思考能力/注意力低下の防止)
- 心身のリハビリテーション
- 発達障がい児など子どもを対象にしたリハビリテーション (日常生活/社会生 活技能/運動能力促進へのサポート)
- 訪問リハビリ (週2回程度で自宅での食事、入浴、移動、着替えなどの訓練)
- 毎朝のスタッフミーティングでの患者様の情報共有
- リハビリ内容、進捗、状態などのカルテ記入
- 患者様のご家族へ状況説明
一身上の都合により退職
学歴セクションの例: 作業療法士の出発点
作業療法士の履歴書の学歴セクションは、主に3つの要素に分けることができます。
- 学位
- 資格
- 組織と出版物
作業療法士が国家資格(OT)を取得するには、試験の受験要件を満たせば学歴は必要ありません。しかし、ほとんどの作業療法士は大学や短期大学、専門学校のいずれかの養成校に進学して国家資格を得ています。専門性を高めたい場合は修士過程に進学する人もいますが、必須ではありません。
また他の候補者から一歩抜きんでるために、関連した学科の単位や資格があれば、それを記載することもできます。
もしあなたが専門職団体の正会員であったり、作業療法に関連する専門的な出版物がある場合は、このセクションに追加するか、新たにセクションを作成して専門職団体と出版物のリストを列挙することができます。
2004年4月 札幌市立大井南中学校 入学
2007年3月 札幌市立大井南中学校 卒業
2007年4月 北海道北洋高等学校 普通科 入学
2010年3月 北海道北洋高等学校 普通科 卒業
2010年4月 愛媛医療大学 リハビリテーション科学部 作業療法学科 入学
2014年3月 愛媛医療大学 リハビリテーション科学部 作業療法学科 卒業
スキルセクションの例:履歴書を微調整する
スキルセクションは短いかもしれませんが、正しく記入するのは意外と難しいものです。このセクションでは、あなたのスキルを求人情報に最も関連性のあるものだけに絞り込み、主要な能力だけを表示する必要があります。作業療法士として、ハードスキルとソフトスキルを適切に組み合わせることも必要です。
どのような環境で、どのような人々と働くかによって、これらのスキルは変わってきます。異なる職種に応募するたびに履歴書をカスタマイズし、あなたが本当にチームの一員になりたいと思っていることを将来の転職先にアピールしましょう。あなたを際立たせ、採用担当者をうならせるスキルを考えましょう。あなたがどのように仕事をこなしているかを考えてみましょう。
貴院の指定に従います。