製造技能職の履歴書の書き方
製造技能職の仕事では、計画に従って部品を組み立てていきます。製造技能職の履歴書も同じです。履歴書に書くべき項目は以下の通りです。
- ヘッダー
- サマリー(プロフィールまたは自己PRとも言います)
- 職歴セクション
- スキルセクション
- 学歴セクション
製造技能職に最適な履歴書フォーマットの選択
職歴セクションは、日本式の履歴書では時系列、世界標準形式の履歴書では逆時系列のフォーマットがベストです。逆時系列のフォーマットでは、最新の職歴から始めて、最低3つ、最長でも10年の職歴を記載するまで遡っていきます。
高度に専門的な生産スキルを持っているか、高度に技術的な分野で働いているのでない限り、職歴セクションが強調されない機能的フォーマットはファーストチョイスではありません。スキルセクションを増やし、その代わりに職歴セクションを減らすことで、ニッチなスキルや非常に複雑なスキルを強調する手段を用います。
サマリーセクションの例: 品質保証
履歴書のサマリー(プロフィールとも呼ばれます)は、フォーマット化された文書にあなたの個性を加える絶好の機会です。なぜあなたがその仕事をしたいのか、その会社があなたを雇用するメリットを4~5行程度で説明します。
まず、あなたの職務経験のまとめる文章から始めます。次に、あなたのスキルや最大の業績を示す文章を1~2文加えます。最後に、なぜこの仕事を希望するのかを説明する文章で締めくくります。
工業高校を卒業して以来、一貫して自動車関連の組み立て業務に従事して参り ました。 最初の自動車組み立て工場では、常に最終的に自動車に乗る人のことを考え 、 エンジン組み付けや組立業務に取り組んで参りました。組み立て作業時に設計 書を確認していくうちに、部品に関連する業務に特化して成長したいという思 いが強くなり、部品製造工場に転職しました。
自動車部品製造工場のラインではエンジンの組み立て作業を主に担当していま す。2016年からは班長に任命され担当ラインの約8名のマネジメントにも尽力 しています。メンバーの作業効率向上や製品品質向上のために、マニュアルを 作成して共有し、作業手順を標準化するなど製品品質の向上と業務改善に貢献 してきました。さらに積極的にマネジメントに貢献したいと考えていたところ 、貴社の製造ラインのマネジメント専門職の求人を拝見し、私のこれまでの経 験を活かして貢献できると思い応募いたしました。
職歴セクションの例: キャリアストーリーを構築する
世界標準形式の履歴書の場合、履歴書の職歴セクションではあなたが仕事で成功したことを詳しく説明します。上記で述べたように、まずは直近の職歴から書き始めましょう。職種名、勤務先名、勤務期間、勤務地を加えます。基本的には10年以上前のものは詳しく記載する必要はありません。
各職務の説明として、箇条書きを4~5個程度入れると良いでしょう。それぞれの箇条書きの項目では、力強い動きを表す言葉で実績を表現します。使用したことのある機械を挙げるときは、できるだけ詳しく書きましょう。
このセクションの構成にはSTAR形式を試してみてください。この形式は状況、課題を具体的に記載し、どのような行動をとったかを述べ、結果を詳述するものです。
以下に、応用可能な職務経歴の例をご紹介します。
2008年4月 組立作業員 株式会社 カミック
2011年3月 組立作業員 株式会社 カミック
- 自動車組み立て工場内で
- エンジン組み付け作業
- フレーム・ハンドル・座席・トランスミッションなどの組み立て作
一身上の都合により退職
2011年6月 組立作業員 アーベーセージャパン株式会社
自動車部品製造工場で
- 自動車エンジン部品のエアドライバーやトルクレンチを使用した組み立て作 業
- クランクシャフト、ピストン組み付け
- 梱包作業
- 製造ラインメンバー(8名)のマネジメント
- 作業スケジュールの管理
- マニュアルを作成し、属人的な作業を標準化
現在に至る
スキルセクションの例:自分の能力を並べる
履歴書のスキルセクションは、採用担当者が候補者に必要とするスキルを持っているかどうかを一目で確認することができます。また、あなたが最も重要だと考えていることを伝えることもできます。求人情報をもう一度見直し、そこに記載されているスキルに併せて自分のスキルを書き直すことで、ATSを通過できるよう履歴書を最適化しましょう。
このセクションをまとめる際には、技術的なスキルだけでなく、もっと幅広いスキルも考えましょう。例えば、体力、問題解決能力、ツールや生産方法の変化に対応できる柔軟性などです。履歴書のスキルセクションは、このような様々な側面に触れるように作成しましょう。
以下にスキルセクションの記入例をご紹介します。
貴社の指定に従います。
生産技術職の専門教育の学歴セクションの例
多くの生産技術職の職務内容は仕事の中で学んでいきますので、学歴セクションには高校での経験や高等学校卒業程度認定試験合格など、修了した学歴をシンプルに記載します。また、自分の専門に関連する資格を取得したり、トレーニングセミナーを受けたりした場合は、それらもここに記載します。
以下に学歴セクションの記入例をご紹介します。
2002年4月 尾道市立楓中学校 入学
2005年3月 尾道市立楓中学校 卒業
2005年4月 広島県立山陽工業高等学校 機械科 入学
2008年3月 広島県立山陽工業高等学校 機械科 卒業
履歴書のレイアウトとデザイン: ラインをきれいに保つ
世界標準形式の履歴書を使用する場合のレイアウトとデザインは、採用担当者が文字を読む前に、あなたがどのような人物であるかというメッセージを送ります。
第一印象を良くするために、 履歴書のデザインとフォーマットのガイドラインをご紹介します。
- シンプルで読みやすいフォントを使う。読みやすさを重視する必要があることを忘れないでください。
- 連絡先情報は目立たせることが重要ですが、スナップ写真は避けましょう。
- 行の長さを変えて余白を作りましょう。
- よほどのキャリアを積んでいない限り、1ページにまとめましょう。
- 漢字の間違い、不揃いな言いまわし、句読点ミスなどがないよう、注意深く校正しましょう。