求職者は誰でも、求人募集企業に対して自分がどのような人物であるかを伝える重要性はご存じでしょう。自己PRでは、自分の強みを的確に伝え、企業に自身の価値を示すための重要な手段です。自己PRでは、あなたの特性、能力、過去の実績など書くべき内容は多岐に渡るように思えますが、何よりもまず、自分の強みを見つけることが必要です。
それと同時に、企業が求める能力や特徴を、自分が持っているかどうかという観点から考えるアプローチも重要になります。
経団連の調査で「企業が選考時に重視する要素リスト」があります。ここで挙げられているトップ5を例にとって、あなた自身の強みの見つけ方、自己PRの書き方と例文をご紹介します。
企業が選考時に重視する要素リスト: トップ5
改めて、就職活動ではなぜ自己PRが必要か考えてみましょう。自己PRが重要な理由はいくつかありますが、ここでは代表的な5つを取り上げてみましょう。
自己PRを適切に行うことで、自分の強みや価値を的確に伝えることができ、それが就職活動において重要な差を生み出すことができます。
あなたは上記で挙げた「企業が選考時に重視する要素リスト」の項目を一通り確認しました。自己PRの重要性も分かりました。
でも、これといった自分の強みが見つからない、と思うこともあるでしょう。なかには、「自分にはこれといった強みがないのではないか」などと悩んでしまう人もいるかもしれません。
自分の強みの見つけ方として、以下の3つのヒントからすぐに取り組めそうなものを選んで、自分のことを振りかえりながら書き出してみて下さい。
どうでしょうか?強みとしてリストアップされた言葉、例えばコミュニケーション能力などは抽象度が高いので、自分には当てはまらないと思ってしまうかもしれません。しかし、上記の例のような視点から自分を振り返ると、自分には当たり前すぎて見過ごしてしまっていたことが、実はあなたの強みの種だということがお分かりいただけるでしょう。
あなたには強みがあります。これをどのように自己PRとして書けばいいでしょうか?前のセクションでは、あなたの強みを見つけるために、あえて身近な例に視点を向けましたが、就職活動での自己PRでは、適切ではありません。
ここでは、見つけた強みをどのように自己PRとして書くか、例文を挙げながら一つずつ見ていきましょう。ここでも「企業が選考時に重視する要素リスト」のトップ5を例として取り上げますが、必ずしもこの5つをあなたの自己PRとして書かなくてはならないという事ではないことは、ご留意ください。
例文1: コミュニケーション能力
私は異なる背景や立場の人々との円滑なコミュニケーションを心がけています。例えば、プロジェクトの会議では、参加者の知識や年齢層を考慮し、専門用語を避けて理解しやすい言葉で説明することで、全員が積極的に参加できる環境を作り上げました。また、日々の報告や連絡を通じて、チームメンバーや上司とのコミュニケーションを密に行い、問題が生じた際には迅速に解決に向けた行動を共に取ることができました。これにより、円滑な連携が可能となり、プロジェクトの目標達成に貢献できました。コミュニケーションを通じて、関係者の理解を深めると同時に、多様な視点を得ることでより良い解決策を導くことができると確信しています。
例文2: 主体性
私は主体性を持って行動することを常に念頭においています。業務プロセスの改善に積極的に取り組んできました。始めは以前の業務手順に従っていましたが、現場での経験から、より効率的な方法が可能であると感じました。そのため、周囲に影響を与えることなく、試しに改良を加えてみました。その結果、業務の効率性が向上し、チームの生産性を高めることができました。この改善を積み重ねていき、1年後には工数を25%削減することに成功しました。今後も同様の主体性を発揮し、貴社においても積極的に業務の改善に取り組み、貴社の発展に貢献していきたいと考えています。
例文3: チャレンジ精神
私は新しい分野への挑戦を恐れず、積極的に取り組んできました。営業の従来的手法に加えて、Z世代をターゲットにするためにSNSの活用を提案し、自ら先頭に立ち実行に移しました。最初は試行錯誤でしたが、徐々にフォロワーやページビューが増加し、動画作成にまで取り組むことができました。Z世代の特性を分析し、若年層の反応を取り入れたり交流をすることで、売上を3年連続で10%以上伸ばす結果を得ました。この新しい分野への挑戦は困難な側面もありましたが、充実感と達成感を得ることができました。これまで培ってきた経験と最新のマーケティング手法を組み合わせ、貴社の成長に寄与したいと考えています。
例文4: 協調性
私はスタッフ同士のチームワークを大切にして、販売の仕事を担当してきました。販売の仕事において、お客様の商品購入のサポートだけではなく、心地よい接客を心がけてきました。販売現場では、異なる売り場のスタッフとも積極的にコミュニケーションを図り、情報共有や勉強会を通じてチーム全体の協力を促進してきました。例えば、売り場の違うスタッフとの情報交換を通じて、お客様に適切なサービスを提供するためのアイデアを共有し、その結果、お客様から心地よく買い物ができたとのお褒めの言葉を多くいただきました。これからも貴社において、積極的なコラボレーションやチームの和を大切にし、お客様にはより良いカスタマーエクスペリエンスを提供できるよう尽力してまいります。
例文5: 誠実性
私はシステムエンジニアとして、クライアントとの関係において常に誠実さを大切にしてきました。クライアントからのご要望や問題点に対して、率直に疑問を提示し、最適な解決策を提案することを心がけています。例えば、過去のプロジェクトでは、予定よりも効果が低かったり、要件との違いに疑問を感じた際には、クライアントと率直なコミュニケーションを図り、代替手段や最適案をご提案しました。また、スケジュールについても、開発者のスキルや他の案件との調整を踏まえ、納期を確実に守るよう配慮しています。この姿勢が評価され、プロジェクトの管理体制が好評で、開発だけでなく保守契約も増加しています。今後もこの誠実さを基盤に、クライアントとの信頼関係を築きながら、より良いシステム開発に貢献してまいります。